シブイオンガクスタヂオは、ボイストレーニング教室です。
歌唱力の基礎となる発声を身につける教室ですから、ボイストレーニングによって当然うたは上手になります。
しかし、それ以前に日常でごく当たり前に使う「声」というものの根本的な見直しをするボイストレーニングにより、喋り声が生活に活きるようになります。
声が小さい、はっきり聞き取れない、あるいは逆に、耳ざわりでうるさがられるような「発声の癖」は、日常の会話すなわちコミュニケーションに於いて、意外なほど損をすると言えます。
その「発声の癖」を改めることで、「声」という道具を共有する聞き手(相手)と話し手(自分)との関係は、円滑で心地よいものになりましょう。
ボイストレーニングにはそのような効能がありますが、あまり知られていないようです。しかし本来歌唱は、その先、その上にあるものです。何事もそうですが、ものごとは基礎をないがしろに進めても、行き詰まってしまうものです。
歌唱は、基礎的な発声(ボイストレーニング)を前提とするものです。そこを中途半端にしては、歌唱技術の錬磨(ボーカルトレーニング)による進歩ものぞめるものではありません。
では、基礎的な発声は、どのようにして得られるかと言えば、誰もが持っている「発声の癖」による、身体への無用の負担を軽減除去することによって得られる「腹式呼吸を活かした発声」をものにすることです。
「発声の癖」を取り除くことは、「個性の否定」と勘違いされることが多いようですが、逆にそれこそが誤りです。
個人個人それぞれが違った骨格を持ち、違った環境の中で育んで来た身体から、自然に出てくるものこそが、個性そのものであるという論理を、否定出来る人はないでしょう。
そうした捉え方によって得られた「声」は、ボイストレーニングの効能のひとつとして大きく挙げられる「発する側の疲れにくさ」「その声を聴く側の耳へのやさしさ」を持っています。
つまり、身体に無用の負担をかけるような「発声の癖」を出来る限り取り除いた個性的な声、すなわち自分の声を知り、自分本来の声で話せる、というところ から、うたのトレーニングに入るべきものなのです。ただし、そういった「自分の声」で放つうたは、実は多少の音のずれがあったとしても、聴く側の心に届く ものになるものです。
シブイオンガクスタヂオは、誰かの真似ではない、自分自身の声を大切にして頂くことを目指しています。